「足で稼ぐ営業スタイルは卒業!デジタルで効率的に」と思ってWebサイトをリニューアルしたものの、なかなかデジタルでの問い合わせが増えない…という悩みをよく聞きます。今後も人口減少や少子高齢化に伴い、一層限定的になる人的リソース。せっかくデジタルに力をいれるならば効果を最大化したいですよね。
今回は、Webリニューアルに合わせて検討したい、デジタルの問い合わせが増える3つのポイントについてお伝えします。認知度向上や問い合わせ件数の向上、そして適切な顧客関係管理を行い、売上の向上へと繋げていきましょう。
まずポイント1つ目は「デジタルマーケティング戦略の設計」です。
デジタルを活用していく上で最も大事なことは、適切なデジタルマーケティング戦略を設計すること。デジタル活用による具体的な目標や戦略を、社内で定めていますでしょうか?「時流に合わせるため」「他社がやっているから」「若者に見やすいように」といった曖昧な理由のみで、具体的な戦略や目標を定めず動いてしまうと、効果的なデジタル施策は実施できません。
以下の点について定めた上で、実際の施策を行っていきましょう。
自社の現状や他社との差異について、SWOT分析などのフレームワークを用いて行います。
デジタルを活用して、誰にサービスや製品を提供したいのかを明確に把握し、ターゲットオーディエンスに最適なデジタルマーケティング手法を選択します。
問い合わせ数の増加や顧客獲得の効率化など、デジタルマーケティングを実施する上での目標値を定めましょう。
Webサイト(SEO)、SNS、コンテンツマーケティング、リスティング広告、AIチャットボットなど、効果的なチャネルを選定して統合的に活用することが重要です。
デジタルマーケティングの大きな強みは、データ取得が早期に可能なこと。配信数→閲覧数→問合せ数などをCVRとし、数値化して常に分析や改善をしていくことが重要です。
次に検討したいのが、Webサイト上に掲載し流入を図り、顧客にDMなどの凸型でアプローチする「コンテンツ」に関する戦略の強化です。具体的には以下の点について考えると良いでしょう。
ターゲットオーディエンスが求めている課題(潜在的な課題も含む)のソリューションとなるコンテンツを配信することで、よりアクセスされ、問い合わせの向上などのコンバージョンへと繋がる可能性が上がります。やみくもにコンテンツを配信するのではなく、現状の顧客が求めている課題について洗い出した上でプライオリティを定め、適切な手順で発信していきましょう。
検索エンジン上で上位に表示されやすくなるよう、SEO対策もしっかりと行いましょう。コンテンツを作る際には、キーワードボリュームを見て内容を定め、多くのユーザーにアクセスされやすい内容にしておきましょう。ウェブサイトの有機的なトラフィックが増加し、ビジネスやブランドの認知度向上、顧客獲得に繋がります。
最後に、マーケティング視点を取り入れたコンテンツ制作の重要性をお伝えします。ただ求められている情報だとしても、文章の組み立てや画像や動画の構成が適切でない場合、しっかりと読んでいただくことができなくなります。セールスレターなどでよく使われている「QUESTフォーミュラ(※)」などの法則を取り入れ、しっかりと相手を動かすコンテンツを作りましょう。
※QUESTフォーミュラとは
Q…Qualify(適任とする。ページのターゲットを絞りこむ)
U…Understand(理解する。訪問者のお悩みや要望を理解し、共感する)
E…Educate(教育する。問題や要望の解決法を訪問者に伝える)
S…Stimulate(活気づける。商品・サービスの購入意欲を鼓舞する)
T…Transition(変化させる。訪問者を顧客へと変化させる)以上の手順で情報を効果的に発信する手法。
ブログ記事、ビデオコンテンツ、ケーススタディ、顧客の声など、さまざまな形式のコンテンツを活用し、ターゲットオーディエンスに訴求力のある情報を多様なかたちで提供することも大事です。
効果的なコンテンツを作成でき配信できるようになったら、次に行いたいのが「顧客関係管理」です。ただ顧客に対して情報を送るだけではなく、どれくらい見られたのか、どこまで見られたのか、誰がみたのか、問い合わせ(CV)に繋がった・繋がらなかった率はどれくらいか、など細かく分析する必要があります。そして、常に改善をしていくことで初めて、デジタルでの問い合せ増加や売上増に繋がる仕組みを構築できるのです。
しかし、これらを手作業でやろうとするとかなりの工数がかかってしまいます。そこで検討したいのが、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムの導入です。アメリカの企業が提供するCRMシステム「Hubspot(ハブスポット)」では、マーケティング・営業・カスタマーサービスの業務をつなぐために欠かせない機能を網羅しています。
Webコンテンツを制作すると、自動的にHTML版のDMを制作してくれます。いずれも開封率やどこまで読まれたのか、離脱率や購読の時間は、など細かなユーザーのデータを確認することができ、迅速なPDCAを回すことができます。
Webサイトを作って終わり、では一向に成果はでません。適切な戦略(目標)のもと、戦略的なコンテンツ制作を行い、CRMを活用した分析・改善を行っていく。以上3つのポイントを重視して動いていくことで、デジタルを使った認知度向上や問い合わせ増加のための施策を打つことができます。
具体的な施策内容は、業種や企業の規模、提供するサービスや商品によってかなり異なります。ぜひ一度専門家の意見を取り入れてみてくださいね。