自社内でファイルの保存・共有先として「ファイルサーバー」を使っている企業も多いかと思います。自社内で自由に構築・運用できる一方で、検索がしづらい、高いコストや知識が必要になるなど、デメリットも多いもの。
同様の用途で活用でき、インターネット経由やアプリを通じて提供されるのが、「クラウドストレージ」です。今回は、クラウドストレージを活用することでファイル管理の課題を解決し、ペーパーレス化を推進する方法について解説します。
地方の中小企業ではファイルの共有としてファイルサーバーを使っているケースも多いかと思います。しかし、以下のようにデメリットが多いのが実情です。
まず構築時には、自社内での開発になるため、サーバー機器の調達やネットワーク構築などのシステム整備が必須です。加えて、保守管理は全て自社負担。大規模になると人件費や電気代が肥大化する恐れがあります。加えてデータ量が増えるにつれ、フォルダ構造が深くどこに何があるかわからないし、検索しづらく、ファイルパスで共有するもリンク式ではないのでたどるのが面倒で結果誰も見ないということも。ストレージ容量の増減に際して、サーバー機器の調達・廃棄が必要になってくるために負担も大きいです。
データは削除したら復元できない上、バックアップにもコストもかかってしまいます。セキュリティレベルは自社次第で、事故防止のために高額なセキュリティ対策費が発生するのが現実です。自社内での保管が目的となるため、ファイルの同時アクセスや共同編集にも対応していません。社内LAN内での利用が基本で、社外からのアクセスにはVPN接続を要するのも面倒な点です。
クラウドストレージならこれらの課題が一挙に解決でき、様々なツールと連携できるので利用の幅も広がります。具体的には、以下のようなメリットがあげられます。
■サーバー機器の調達やネットワーク構築不要。初期投資を大幅に抑えられる
■保守管理はサービス提供者が負担。人件費やシステム更新費などを大幅圧縮
■デフォルトでセキュリティ機能を備えているため、セキュリティ対策費を大幅圧縮
■ファイルの同時アクセスや共同編集も可能(支社やテレワーカー、社外のスタッフとのファイル共有も可能)
■社内人材不要で24時間365日、どこからでもアクセスできる
■ストレージ容量はプラン変更のみでOK!自由に増減可能
■ファイルは遠隔地のサーバーで安全にバックアップ・分散管理される。サービス利用のみで、BCP(事業継続計画)に対応可能
■検索や共有も容易。誤って消してしまった場合や上書きした場合もバージョン管理やバックアップ有り
クラウドストレージはこれらのメリットがあるだけでなく、様々なツールとの連携も可能です。大容量ファイルの共有なども簡単に行うことができます。
利便性やコスト面でもメリットが多く、活用したいクラウドストレージ。しかし、その分セキュリティ対策は必須となります。以下の対策を実施することで、データの漏洩や不正アクセスを防ぐことができます。
これらのセキュリティ対策をしっかりと実施することで、安全にクラウドストレージを活用することができます。
様々なクラウドストレージサービスの中で、今回ご紹介するのはマイクロソフト社が提供する「OneDrive」です。OneDriveは、Officeファイルはもちろんのこと、写真や動画など様々なデータファイルをオンライン上に保存できるクラウドストレージサービスです。ファイルを共有すれば、パソコンやスマートフォン・タブレットなどからファイルの閲覧や編集、削除ができるものになっています。
セキュリティ面においても、OneDrive側で様々な対策がすでになされているのはもちろんのこと、ユーザー側もパスワードや2要素認証、データの暗号化も行うことができ、リスクを最小限に活用することができます。
(参考:マイクロソフト社OneDriveデータ保護に関する対応について)
その他にも、様々なクラウドストレージサービスが展開されており、自社ですでに使っているサービスとの相関性や拡張性、クライアントの状態により適切なサービスは異なってきます。最適なサービスを活用して、ペーパレス化やDX化を推進されてください。導入の際にはぜひ専門家に相談されてくださいね。