ランサムウェアの仕組みについて解説します。ランサムウェアとは何か、どのように機能するのか、そしてどのように対策することができるのかについて詳しく説明します。
ランサムウェアとは、コンピュータやスマートフォンなどのデバイスに侵入し、データやシステムを制限・暗号化して利用者に身代金の支払いを要求する悪意のあるソフトウェアです。
ランサムウェアは通常、メールの添付ファイルや不正なリンクをクリックすることによってデバイスに感染します。
感染すると、ランサムウェアは利用者のデータを暗号化し、利用者が身代金を支払わない限り、データを復号化することはできません。
身代金支払い後も、データが返される保証はなく、また、身代金を支払ったことが悪質な団体に知られる可能性もあります。
ランサムウェアは近年、急速に進化しており、様々なバリエーションが存在します。
ランサムウェアは、主に以下のような感染経路を利用して拡散します。
これらの感染経路に注意し、セキュリティ意識を高めることが重要です。
ランサムウェアには、以下のような機能と作動プロセスがあります。
ランサムウェアの機能と作動プロセスは、バリエーションによって異なる場合がありますが、基本的な流れは共通しています。
ランサムウェアに感染しないためには、以下の対策を実施することが重要です。
これらの対策を実施することで、ランサムウェアの被害を最小限に抑えることができます。
ランサムウェアの被害は、世界中で多くの組織や個人に発生しています。以下は一部のランサムウェアの被害事例です。
つるぎ町立半田病院(徳島県)では、2021年10月にランサムウェアの被害がありました。電子カルテが機能しなくなり、患者情報が閲覧できなくなりました。病院は復旧に時間を要し、データ復旧には約7,000万円かかりました。原因はセキュリティ不足とされ、約8万5千人分の電子カルテが影響を受けました。
春日井リハビリテーション病院(愛知県)は2022年1月、ランサムウェアにより患者情報を含む電子カルテが停止。全サーバーを緊急停止し、数万人の患者データがアクセス不能に。身代金要求の典型的なランサムウェア攻撃で、被害を受けたパソコンは手書きで業務を行う必要がありました。
宇陀市立病院(奈良県)は2018年10月、ランサムウェア「GandCrab」による攻撃で1133人の患者情報が暗号化。データバックアップの失敗とセキュリティソフトの不備が原因で、復旧が難航しました。この出来事から、システム運用の重要性とセキュリティ対策の必要性が浮き彫りにされました。
2020年11月、カプコンはランサムウェア攻撃に巻き込まれました。この攻撃で、約35万件の顧客情報や従業員情報が流出し、大きな損害が発生しました。攻撃は標的型で、カプコンのシステムに不正に侵入し、データを盗み出した後、身代金の支払いを要求しました。
しかし、カプコンは身代金を支払わず、代わりに復旧作業に着手しました。結果的に、システムは約1ヶ月間停止し、ビジネスに大きな打撃を与えました。この出来事から、企業はセキュリティ対策の必要性を改めて認識する契機となりました。報告によれば、この攻撃では1TBもの情報が流出するなど、深刻な被害が報告されています。
2017年5月、日立製作所はWannaCryと呼ばれるランサムウェア攻撃に遭いました。この攻撃は、Windowsの脆弱性を利用して広がり、感染したシステムのファイルを暗号化し、解除のための身代金を要求しました。日立グループ内では、欧州の子会社から発生し、社内ネットワークに感染が拡大し、グローバルな被害が広がりました。
この攻撃により、日立製作所の社内システムは一時的に停止し、特にメールの送受信に影響がありました。攻撃を察知した翌日、日立は対策チームを結成し、国内外のグループ企業と協力して復旧作業を進めました。この出来事を通じて、情報セキュリティガバナンスの重要性が再確認されました。幸いなことに、情報漏洩は確認されていないと報告されています。
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