「Excelのやりとりが面倒で、つい後回しに。結果、情報が古くなってしまう」
「個人の情報が属人化していて、チームとしての動きが見えなかった」
異動で引き継いだ案件の情報が手帳や過去メールの中に点在。新任担当者がゼロから再提案し、顧客の信頼を損ねた。
原因:営業履歴の共有がなされていなかった。
2名の営業が同じ企業に提案していたことが発覚。顧客から不信感を持たれ失注。
原因:顧客管理が個人任せで、社内で情報が見えていなかった。
商談後に帰社してから報告しようとしたら、別案件が優先されてクロージングのタイミングを逸した。
原因:即時報告ができる環境がなく、対応スピードが落ちた。
Excel管理の限界を感じていた営業チームは、kintoneの導入を決断。導入からわずか3か月で、業務フローと情報共有の質が大きく変わりました。
以下は、導入前後での主な変化を比較したものです。
「誰が、どの案件を、どこまで進めているか」が可視化されたことで、担当者・マネージャーの両方にとって大きなメリットが生まれました。
項目 | Before(Excel) | After(kintone) |
---|---|---|
案件共有 | 個別管理 | 全体で一元化・リアルタイム更新 |
引継ぎ | メール・手帳 | 顧客ごとに履歴・資料添付で共有 |
商談報告 | 帰社後に手入力 | 外出先から即スマホで報告 |
顧客対応 | 担当不明・重複対応 | 担当者明確・アプローチ一元管理 |
会議準備 | 毎回集計に半日 | グラフと一覧で即対応 |
kintoneで日々蓄積される営業データは、単なる「報告の記録」では終わりません。
しっかり設計されたアプリで入力されたデータは、集計・分析によって営業チーム全体の動きや傾向を見える化し、“次の一手”を導き出す材料になります。
ステータス別の件数や平均滞留日数を集計し、「どこで詰まっているか」が見える。
例:
- 「提案中」で長期間進んでいない案件が多い → 上長の同行支援を追加。
受注・失注情報を分析し、成功しやすい条件(業種・金額帯・対応スピードなど)を特定。
例:
- 地方の中小企業+500万円以下の案件 → 高受注率
- 初回訪問から10日以内に提案 → クロージング成功率UP
エリア別・業種別の成約数をグラフ化 → 地域ごとの優先度や展示会選定に活用。
例:
- 北海道:食品業界の受注多 → フォーカス強化
- 関東:競合優位の業種多 → 差別化提案の強化が必要
kintoneを導入しただけでは、成果にはつながりません。
本当に効果を出すためには、「どんな項目を入力するか」「どのように活用するか」まで設計段階から考え、現場にフィットするアプリとして育てていくことが重要です。
kintoneは、営業情報を「管理するだけ」で終わらせません。
蓄積されたデータを分析し、現場で“活きた戦略”に変えていく。それこそが、Excelにはないkintoneの強みです。
(最後に)
「今あるExcelをそのままkintoneに置き換えるだけ」でも、情報のつながりと見える化は一歩進みます。
そしてその先には、“行動に移せる営業戦略”という価値が待っています。